機能材料工学コース
教 授 渡 孝則 (WATARI Takanori)
E-mail:watarit [at] cc.saga-u.ac.jp (メールアドレスは [at] を@に変更してください)
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専門分野: | 無機材料(セラミックス工学) |
所属学会: | 無機マテリアル学会,日本セラミックス協会,日本化学会 |
その他 : | 無機マテリアル学会理事,日本セラミックス協会九州支部副支部長 |
佐賀大学教員総覧データベース
光るセラミックスの合成と特性評価の研究をしています.人間の生活で“光”,“色”は欠かせないものです.人は朝日で目覚め,ピンクに温かみを,ブルーに冷たさを感じます.このように生活に欠かせない光や色をセラミックスにより出そうというものです.ただし,“出す”と言っても作り出すのではなく,見えない光を目に見える色に変えます.
次の研究例で説明します.
アップコンバージョン蛍光体の合成と特性評価
蛍光体には、紫外線を可視光に変換するダウンコンバージョン(DC)と赤外線を可視光に変換するアップコンバージョン(UC)の2種類がある。研究室では、安価で無害なUCセラミックス蛍光体の製造条件と特性について研究している。これまで、図1に示すようにZnO-TiO2系セラミックスで明るい赤色および緑色の発光を示す条件を見出している。現在、発光強度の向上および発光メカニズムについて検討している。
図1 各種UC蛍光体の発光特性
焼き物の新規装飾法の開発−ガラス中の結晶生成−
佐賀県は有田焼、唐津焼などの焼き物が有名で、日本でも有名なブランドとなっている。研究室では地域産業への貢献を目的とし、焼き物の表面を覆っているガラスの新しい装飾法について研究している。ガラスは非晶質で結晶とは異なるものであるが、原料組成を制御し、結晶成長の種を与えると図2(a)に示すような放射状の結晶が得られた。この結晶の生成場所が制御でき、また花びら様の模様に発展でき、新規装飾法への応用を期待している。さらに、原料に添加剤を混合すると図2(b)に示すように紫外線照射で緑色発光を示す結晶が得られる。現在、工学的視点から結晶成長速度の解析とメカニズムの解明、発光特性(強度、色、残光など)の向上を研究している。
図2 磁器表面の結晶生成(a)とその発光(b)
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