医工学コース
教 授  村松 和弘 (MURAMATSU Kazuhiro)
E-mail:muramatu [at] cc.saga-u.ac.jp (メールアドレスは [at] を@に変更してください)

1988岡山大学工学部電気工学科卒業
1990岡山大学工学研究科電気工学専攻修士課程修了
1990アルプス電気株式会社
1992東北アルプス株式会社
1993岡山大学自然科学研究科生産開発科学専攻 博士課程修了
1994岡山大学工学部 助手
1994岡山大学大学院自然科学研究科 助手
1999英国・バース大学 客員研究員
2000仏国・グルノーブル理工科高等大学 客員研究員
2001佐賀大学理工学部 助教授
2007佐賀大学理工学部 准教授
2008佐賀大学理工学部 教授
2010佐賀大学大学院工学系研究科先端融合工学講座 教授
2015中国・武漢大学 客員教授
専門分野:電力工学・電力変換・電気機器
所属学会:IEEE,International Compumag Society,電気学会,日本磁気学会,日本建築学会

佐賀大学教員総覧データベース



高性能電気機器・電磁装置の開発設計では,これまでの試行錯誤的な試作実験に代わり,コンピューターを用いたシミュレーションが行われています.しかしながら, 新製品の開発では,シミュレーション技術が確立されていないことが多く,「シミュレーションできない現象をシミュレーションする」ため,高度なシミュレーション技術の開発を行っています.さらに,開発したシミュレーション技術を用いて,企業の各種高性能機器装置の開発設計支援を行うなど,積極的に「社会貢献」するとともに,国際共同研究や留学生の受入れなど,「国際交流」も活発に行なっています.

シミュレーション技術の開発

電磁ブレーキや磁気軸受けの開発に必要な高速回転時でも安定的に解を求めることができる「導体の運動を考慮した渦電流解析技術」,アクチュエーターの開発に必要な可動部の位置を自由に変化させて解析できる「非適合要素分解図を用いた磁界解析技術」,電気機器に用いられる薄い鋼板を積層した積層鉄芯を効率よくシミュレーションするための「積層鉄芯のモデリング技術」,機器・装置の磁気的特性のみでなく,温度上昇,機械的強度,騒音なども評価するための「連成解析技術」など高度なシミュレーション技術の開発を行っています.

高性能電気機器・電磁装置の開発設計支援

開発したシミュレーション技術を用いて,企業が新製品開発時に課題となった「電力貯蔵装置用磁気軸受の低損失化」,「インバーター用リアクトルの低損失・低騒音化」,「誘導モータの始動特性の改善」などを解決するとともに,「MRI用開放型シールドルーム」,「常磁性体と反磁性体を併用したMRI用アーチファクトフリー医療用金属インプラント」,「インピーダンス計測によるコンクリートの含水率・含有塩化物量の非侵襲測定法」などの新技術の開発支援を行っています(図1参照).

国際交流

平成13年に佐賀大学に着任した後,中国などのアジア諸国から10名以上の留学生を受け入れ,指導しています.また,平成21年からは定年退職された教授を引き継ぎ,国家高電圧絶縁重点実験室を有する中国の武漢大学電気工程学院と「高電圧・電力機器に関するセミナー」を毎年実施するなど学術交流を行っています(図2参照).

研究指導学生の教育

テーマを与えた後は学生が主体的に研究を遂行できるように指導しています.さらに,企業との共同研究では打合せから報告まで学生が主体的に研究に取り組み,また,国際会議で学生自ら発表させる(図3参照)など,学生の社会性・国際性の向上にも力を入れています.

これまで,磁界のシミュレーションの分野で世界的に最も権威ある米国電気電子学会誌に50編以上の論文が掲載され,また10社以上の企業と共同で論文発表するなどの実績を上げ,平成18年には(財)エンジニアリング振興協会第26回エンジニアリング功労者賞をグループ受賞しています.さらに,平成27年には中国国家外国専門家局のHigh-end Foreign Expertsに選ばれ,さらに活発に国際交流を行なっています.