医工学コース
助 教  高 炎輝 (GAO Yanhui)
E-mail:gyanhui [at] cc.saga-u.ac.jp (メールアドレスは [at] を@に変更してください)


2007武漢大学高電圧と絶縁技術修士課程修了
2010佐賀大学工学系研究科生体機能システム制御工学専攻 博士課程修了
2010佐賀大学大学院工学系研究科電気電子工学講座 助教
2015佐賀大学大学院工学系研究科先端融合工学講座 助教

専門分野:電力工学・電力変換・電気機器
所属学会:日本電気学会,日本磁気学会,米国電気電子学会

佐賀大学教員総覧データベース



近年,環境問題の観点から各種電気機器の低損失・低騒音化への要求が高まるとともに,高精度・高機能な各種電磁装置の開発が盛んに行われています.そこで,これら高性能電気機器・電磁装置の開発に必要なシミュレーション技術の開発を行うとともに,開発したシミュレーション技術を用いて高性能な機器・装置の開発・設計を行っています.

電気機器の低損失化

電気機器の低損失化を検討するため,機器で用いられる積層鉄芯の損失計算法について,積層鉄芯の層間ギャップと鋼板中の渦電流,さらには,磁壁移動によって生じる異常渦電流損やインバータ電源の電流波形に含まれる高調波まで考慮した損失計算法を開発し,電気機器の低損失化設計に適用しています.これまで,インバータ電源に接続されたリアクトルや異方性鉄芯を用いる電力用リアクトルの低損失化について検討し,積層鉄芯の角部の形状を改良することにより鉄芯中の磁束分布を一様にする損失低減法を提案しています.現在はモータの低損失化について検討しています(図1参照).

電気機器の低騒音化

電気機器の低騒音化を検討するため,積層鉄芯の振動解析法について,電磁応力と磁歪応力の両方を考慮した振動解析法を開発し,電気機器の低騒音化設計に適用しています.これまで,インバータ電源に接続されたリアクトルの低騒音化について検討し,鉄芯ギャップに挿入する絶縁物の硬さを調整することにより電磁応力と磁歪応力による鉄芯表面の変位をキャンセルする騒音低減法を提案しています(図2参照).現在はモータの低騒音化について検討しています.

MRI用アーチファクトフリー金属インプラントの開発

医療用金属インプラントを装着した患者をMRI画像診断装置で診断する際に発生する撮影画像が歪むアーチファクトを低減するため,常磁性体と逆磁性体を併用したアーチファクトフリー金属インプラントの最適設計を行っています(図3参照).

これまで,磁界のシミュレーションの分野で世界的に最も権威ある米国電気電子学会誌などに約20編の論文が掲載されるなどの実績を上げ,平成23年には電気学会静止器技術委員会優秀奨励賞を受賞するとともに,電気学会 電力・エネルギーフォーラムや自動車メーカなどで招待講演を行っています.