3.特色ある授業・プログラム


プロジェクトスタディ
本科目はPBL(Problem-based Learning(課題解決型学習))型授業で,学生自らが主体的に問題解決に取り組むことによって様々な能力の向上を図ります.就職して社会に出ると,様々な分野の人たちと協力して問題を解決しながら仕事を進めていくことは少なくありません.本専攻は,機械系,電気電子系,化学系の学科の出身の学生から成り立っていますが,その強みを活かし,学んできた分野が異なる学生3人で一つのグループを作り,教員から提示される課題に対して互いに協力して解決にあたってもらいます.教員から提示される課題は,機械系,電気電子系,化学系の分野からそれぞれひとつずつ出されますので,皆さんは学部時代には経験したことのない課題に遭遇することになります.これらの課題を3人で協力して解決する過程で,皆さんには,異分野の学び方,異分野の実験体験,グループにおける協働作業,プレゼンテーション力を身につけてもらい,先端融合工学専攻でしかできない経験を積んでもらいます.
 ※課題の例
  • Arduinoを用いた衝突回避支援システムの小型モデル製作(機械系)
  • AE処理により 膝関節の状態を調べる(機械系)
  • 空気銃の速度測定(機械系)
  • 生体エネルギーは電気を使って合成される(電気電子系)
  • PVDFフィルム(センサ)を用いた硬度測定(電気電子系)
  • ナノ秒パルスレーザーを用いた光音響波の発生(電気電子系)
  • 食塩製造装置の防食法の開発(化学系)
  • 光で動く分子の合成(化学系)
  • 酵素反応による多糖の加水分解(化学系)

医用信号解析特論
本科目は専攻内の専門基礎科目に位置づけられており,医工学コースを選択した学生に取っては必須科目と考えられます.主に機械系と電気電子系出身の学生が受講していますが,その学習目標は医学分野に関する知識の習得と,医学分野において工学的技術が活かされている事例について学ぶことにあります.広範にわたる医学領域の中でも,近年特に注目を集めているヒトの脳にスポットをあてています.具体的には,脳の構造・機能・役割についての医学的知識,脳機能の診断技術・計測技術と,そこで利用されている信号解析などの工学的技術の原理,開発の歴史といった内容を講義しています.また,学生の皆さんには2〜3名でグループを構成してもらい,グループごとに異なったテーマで調査・発表を行ってもらいます.講義を通して学ぶだけでなく,自らが主体的になって1つのテーマを深く掘り下げて調べることで,より詳しい医工学に関する知識を身につけることができます.本講義を通して,機械や電気電子といった工学的技術が,本来は異分野である医学領域の進展に大きく貢献していることを知り,医工学という研究開発分野の重要性を認識してもらう事も目標にしています.

佐賀大学大学院工学系研究科環境・エネルギー科学グローバル教育(PPGA)プログラム
本プログラムは,外国人留学生と日本人学生が共学し,世界的な環境とエネルギー問題の解決に関する講義,セミナー,およびインターンシップ研修などの教育カリキュラムを全て英語で実施します.本プログラムは,環境・エネルギー問題を議論し解決するために工学系研究科に発足しました.修了後,工業生産,建設,バイオ等に関わる様々な工学系分野の知識と思考力を持ち,環境・エネルギーについて世界的な視野で総合的に洞察できる学生を育成することを目的としています.